2015年12月13日

黒岩先生との出会い  

私が初めて黒岩先生にお会いしたのは江戸川区合気道連盟の主催のする合気道演武会・講習会でのことでした。

そもそも黒岩先生の存在を知ったのは、合気ニュース社から出ていたビデオ「スーパー友好演武会」(合気ニュース社が主催し、数回行われた「合気道友好演武会」のダイジェスト版。現在は「開祖直弟子に見る合気道」のタイトルでDVDとして発売されてます。)においてでした。大学の合気道部の同期と共同で購入したものです。当時結構な値段であったと思います。サングラス・スーツ姿で合気道の説明・演武をされてる例のやつで、YouTubeなどでご覧になった方も多いと思います。その映像では、素早いパンチ、鮮やかなステッキの扱い、そしてどの体勢からでも相手に入り込んで打つ軽やかな腰投げが印象に残りました。腰投げのときの足さばきを、同期の連中と「このステップおしゃれだなー」などと言いながら見ていたものです。なんとも生意気な物言いで、今ともなればお恥ずかしい限りですが、我ながらなかなか良いところを見ていたのでは、とも思います。黒岩先生も雑誌のインタビューで「僕のこの投げを真似してる人は結構いるんですが、足がちゃんと前へ出ている人はほとんどいませんね。」(月刊秘伝2004年11月号)と語っておられますし…。

また、黒岩先生のお姿は、合気道の演武会その他の行事、ほかの武道の大会のときにお見かけはしておりました(先生は大変フットワークの軽い方でした)。大変お痩せになっておられるのと、あと、煙草がお好きなんだな、と思った記憶があります。平成も二桁に入るまではけっこういろいろな場所に灰皿が置いてあったものでした。中野体育館で、何か少し厳しい表情で煙草を燻らせていたお姿を今でも覚えています。

機会があれば指導を受けたいと思っていたところ、「合気ニュース(現在『道』)」誌の行事予定欄に黒岩先生による講習会が告知されておりました。個人的にかなり忙しい時期ではあったものの、これを逃すとまた来年とかになってしうかなと思い、参加を決めました。「1メートルくらいの棒を持って来てください」とあってので、自室で洋服などを掛けるのに使用していた得体の知れない90センチほどの木の棒をむき出しのまま手に、会場の西葛西スポーツセンターへと向かったのでした。

間近に見た黒岩先生の動きは、それは素晴らしいものでした。
まず、速さ。パンチ、ステッキ、そして相手に身を寄せる入り込む動きも、残像が残るような、異質なものでした。この速さは映像では伝わらないものなのだなとも思いました。
そして、その動きの正確性・再現性の高さ。技の説明のときには日頃指導をなさっている立教大学の学生の方々が受けを取っておられましたが、黒岩先生は会場をぐるぐる周り、誰に対しても手を取って指導をなさってました。先生は誰に対しても同じように動き、誰もが同じように体勢を崩され、投げられてました。

講習会の後半は腰投げの指導でしたが、この腰投げはまさに衝撃的とも言えるものでした。勢いも弾みも使わず、ただ相手の体のあった所を歩き去るような、見たこともない投げでした。先生の体が相手の体に入り込むと、相手の体が重さのないもののようにふわっと上がり、そして勝手に落ちて行く、という感じでしょうか。。。

講習会が終わったあと、私は、着替えに向かわれる黒岩先生に、是非先生の稽古に参加したい旨を申し出ました。先生は「浅草橋の駅出て江戸通りを蔵前警察署の方にまっつぐ進むと、警察署の裏に郵政の体育館がありますから。そこで稽古してますので、どうぞ気楽に来てください。お金は一切かかりませんから。」と。
そして、先生の半分の年にも満たない私をさん付けで呼んでくださり、「こちらこそよろしくお願いします。」と丁寧にお辞儀をしてくださったのでした。

posted by Z at 13:01| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
貴兄の文章の端々から、在りし日の黒岩先生のお姿が目に浮かびお声が聞こえてくるようです。
ありがとうございます。本当に懐かしいですね。

呑むたびお話しているようなことでも、呑みの席だからこそ記憶があいまいなところもあり…
ぜひまたこういう記事をお願いします。
Posted by 秋山勇浩 at 2016年01月07日 12:31
ありがとうございます。大変励みになります。また飲みましょうね。もちろん稽古も。
Posted by at 2016年01月13日 20:45
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